2020年春闘は、「生活悪化と景気悪化が同時進行する中で迎える春闘」です。大幅賃上げで、生活改善と景気回復を実現しましょう。
2020年春闘要求を2月18日(火)に提出し、3月3日(火)に回答を求めました。ただし、連合労組の日程の関係で、第1回団交は3月3日(火)、回答日は3月10日(火)となりました。
【JMITU支部の重点課題】
①すべての仲間の大幅賃上げ
(初任給引き上げに伴う賃金是正を含む)
今年4月1日付で入社する新入社員から、大卒初任給は208,000円から210,
000円に2,000円引き上げとなります。会社は昨年の春闘の団交で「初任給引き
上げに伴う賃金是正は、実施せざるを得ない」と表明しています。JMITU支部とし
ては、新入社員を除くすべての正社員に一律2,000円、パートタイマは時給で一律
10円の賃金是正を求めます。
②不合理な待遇差の解消
(継続再雇用社員の基本給、継続再雇用社員とパートタイマの一時金)
昨年の秋季闘争で、継続再雇用社員に今年4月から住宅手当と家族手当を支給する回答
を得ました。JMITU支部が1年以上にわたって粘り強く交渉してきた成果です。J
MITU支部には、以下のような喜びの声が寄せられています。
・「ご苦労様です。本当に粘り強く継続して交渉を行ってきた結果だと思います。あり
がとうございます。」
・「再雇用になって、初めて月給が上がります。モチベーションも上がります。」
・「妻のパートの年収を扶養の範囲内に抑えてきました。再雇用になれば住宅手当も家
族手当もなくなるので、この際、妻の年収を扶養の範囲を超えるようにしようかと相
談していましたが、どちらが得か、もう一度計算し直してみます。」
一方で、「住宅手当と家族手当が出ることになったのは良いことですが、とりあえず一
歩前進。基本給と一時金を解決したい。」との指摘もありました。「継続再雇用社員の
基本給」と「継続再雇用社員とパートタイマの一時金」について会社は、「この点につ
いての雇用状況や社会情勢等を踏まえた議論は継続すべきとの認識です」と回答して、
今後の労働条件改善に含みを残しました。また、間もなく65歳まで無年金になること
は、再雇用社員の基本給の見直しするうえで考慮の対象になることを確認しました。
このような経過を背景に、2020年春闘では基本給と一時金についての不合理な待遇
差の解消を目指します。
➂企業の将来展望にかかわる情報開示
(次世代測定器「T-ZACCSシリーズ」の現状と今後の展開。新社屋)
オリンピック関連の需要が終息し、自動車のEV化に対応するセンサーや測定器を模索
している状況で、「満を持して」リリースした次世代測定器T-ZACCSシリーズ
は、当面の間、売上の柱の一つになることが期待されているとJMITU支部は理解し
ています。
現在までの販売台数や、今後の展開の計画などの開示を求めます。
また。新社屋の総工費や概要について情報開示を求めます。
【2020年春闘要求】
(1)昇給
①正社員と契約社員「一律1万円+賃金是正2000円」+「現在の賃金体系で
4%」の賃上げを実施すること。
②パートタイマ時給で「一律50円+賃金是正10円」+「一律4%」の賃上げ
を実施すること。
③継続再雇用社員「賃金是正2000円」+「一律4%」の賃上げを実施するこ
と。
④賃金水準の低下している年代の賃金是正を継続すること。
⑤査定配分について、労使合意の配分方法を実施すること。
⑥政策的な査定を行わないこと。
⑦基本給で、高卒初任給を200,000円以上、大卒初任給を240,000
円以上とすること。
(2)不合理な待遇差を解消する要求
①パートタイマと再雇用社員の一時金の支給月数を、正社員と同一にすること。
②再雇用社員の基本給を、直ちに退職時の70%(ただし時給換算で1500円
を下回らない)とすること。その後80%以上とすること。
➂再雇用社員の労働条件改善は、個々の契約更新時期によらず、一斉に行うこ
と。
(3)企業の将来展望にかかわる要求
①従業員の雇用とくらしに大きな影響を与える会社の経営施策と経営資料の開示
と説明。
次世代測定器「T-ZACCSシリーズ」について以下の情報を開示すること。
・販売台数
・今後の展開の計画
新社屋について以下の情報を開示すること。
・総工費
・建物の概要
(4)『安心して働きやすい職場を求める統一要求書』にかかわる要求
①「事前協議等に関する協定」を今後も遵守すること。
<事前協議等に関する協定>
1.会社は、解雇・転籍、出向などについては、労働組合と事前に協議する。
2.希望退職募集に関する協定
①早期退職優遇制度の導入については、労働組合と事前に十分協議し、労働組合の
理解と協力が得られるよう努力した上で実施する。
②希望退職の募集については、労働組合と事前に十分協議し、労働組合の理解を得
た上で実施する。(ただし、理解とは納得ではない)
3.転勤・配置転換に関する協定
①従業員の所属する部課の統廃合、大幅な縮小、移転に伴い、従業員の労働条件に
重大な変更を与えるような場合は、会社はあらかじめ相当な時間を取って組合に
通知の上、十分協議し、理解と協力を得られるよう配慮した上で転勤・配置転換
を実施する。会社は退職強要の手段、労働組合の弱体化を目的として転勤・配置
転換を行わない。
②従業員の転勤が転居を伴う場合、会社は事前に当該従業員に通知、説明し、家族
がいる場合は家族の事情等にも配慮の上、当該転勤を実施する。なお、当該従業
員の同意が得られない場合には、会社は組合と十分協議する。
③従業員の職種変更を行う場合、会社は事前に当該従業員に通知し、諸労働条件に
ついて話し合いを行い、理解を得た上で実施する。なお、当該従業員の同意が得
られない場合には、会社は組合と十分協議する。
4.会社は、以下の事項について、労働組合と事前に協議する。
①事業所の移転・統廃合、分社化・合併、会社分割など企業組織の変更
②子会社の設立・業務移転・解散、新業種への進出・転換、海外への生産移転、企
業間提携の締結
③増減資、他社の買収、営業譲渡、廃業、企業倒産にかかわる私的・法的手続きの
申請・実行
5.会社は、賃金、労働時間、勤務形態など労働諸条件の変更について、組合と事前に
協議する。
6.継続雇用(再雇用)に関する確認事項
①再雇用は、現職の継続を原則とする。
②再雇用後は、原則として転勤を命じることはない。
③雇用形態、雇用先、勤務地、賃金、労働条件について、労働組合と協議する。
7.会社・組合は、本協定項目の解釈に疑義が生じたときは、その都度協議する。
②事前協議・同意協定の締結
<事前協議・同意協定(案)>
1.会社は、解雇・転籍・希望退職の募集、出向・配置転換、職種変更などについて
は、労働組合と事前に十分協議し、労働組合と本人の同意のうえに実施する。
2.会社は、有期雇用労働者の雇い止め、有期雇用、派遣労働者並びに業務請負などの
導入・契約解除、裁量労働制を実施する場合は、労働組合と事前に協議し、同意を
得たうえで実施する。
3.会社は、以下の事項について、労働組合と事前に協議し、同意を得たうえで実行す
る。
①事業所の移転・統廃合、分社化・合併、会社分割など企業組織の変更
②子会社の設立・解散、新業種への進出・転換、海外への生産移転、企業間提携の
締結
③増減資、他社の買収、営業譲渡、廃業、企業倒産にかかわる私的・法的手続きの
申請・実行
④その他、重要な経営施策の変更
4.会社は、賃金、労働時間、勤務形態など労働諸条件の変更について、組合と事前に
十分協議し、同意を得たうえで実施する。
➂ハラスメントをなくす要求
2019年秋季闘争で、『来年度4月改定に加える方向で、検討を進めます。但し、
「すべてのハラスメント」となると、就業規則の懲戒自由の規定としては範囲が広す
ぎ、労働者に不測の損害を与えかねないことから、ハラスメントとして広く認識され、
ある程度公的な定義がなされている、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、
マタニティハラスメントに限定する考えです。』との回答を得ました。今年4月の修業
規則の改定内容を具体的に開示し、協議することを求めます。
④定年退職日に関する要求定年退職日を誕生日ではなく、年度末の3月31日に
すること。
回答指定日 2020年3月3日(火) 当日は団体交渉をもち文書にて回答すること。