修正利益計画には依然として疑問があります。今後も定量的な資料の開示を求めていきます。

修正利益計画は、年末一時金回答の会社の最大の根拠です。JMIU支部の疑問に、11月16日の団交で会社は以下のように回答しました。

① 在庫増減(棚卸差額)をゼロと計画している件

【JMIU支部の疑問】

 利益計画では在庫増減は常にゼロで計画してきましたが、これまでの実際の決算ではプラ

 スになっています。在庫増減がプラスならば、営業利益は増えます。今年度の在庫増減

 は、中間決算で既にプラスになっています。実際の決算では本当にゼロになるのでしょう

 か? 結局、在庫増減がプラスになって営業利益が増えるのではありませんか?

【会社の回答】

 昨年度(2015年度)は下半期での在庫増減は数千万円以上減っています。今年度も下

 半期で同程度減ると見込んでいるので、実際の決算では在庫増減は、ほぼゼロになると考

 えています。

【JMIU支部の見解】

 適正な在庫管理と経営管理をしていれば、在庫増減はコントロールできます。今回の団交

 で、修正利益計画どおりに在庫増減をほぼゼロにする会社の方針が示されました。在庫

 (完成品と仕掛品)が増え続けると、過剰在庫となり経営を圧迫する危険性があります。

 今後も月次決算などの開示を求めていきます。

② 材料費率が、昨年度の実績より高く設定してある件

【JMIU支部の疑問】

 今年度の修正利益計画では材料比率を、昨年度の実績より高く設定してあります。材料費

 率が1%下がれば、営業利益は約●●●●万円増えます。高すぎる材料費率を設定してい

 るのではないですか?

【会社の回答】

 今年度はメーターが苦戦しています。実は、当社の製品で一番材料費率が高いのは変換器

 です。総売上に占める変換器の割合が昨年より高くなると見込んでいます。したがって全

 体の材料費率も、昨年度より高く設定してあります。

【JMIU支部の見解】

 会社の上記の回答は、定性的な矛盾はありません。しかし変換器の材料費率は、現在は定

 量的に開示されていません(2013年度以降は、管理決算書に大まかな数字しか掲載し

 ないようになってしまいました)。

 部門別の詳細な数字が明記されていた2012年度の管理決算書によると、材料費率は

 ゲージが●●.●%、メーターが●●.●%、変換器が●●.●%でした。確かに変換器

 の材料費率が一番高いですが、メーターと大差はありません。2012年度当時と現在と

 では、材料費率に大きな変化があったのでしょうか?

 メーター、変換器、ゲージの各々の材料費率の開示を求めていきます。また、月次決算の

 開示を求めていきます。

③ 総原価(材料費を除く費用)のうち、労務費を除く費用(その他の費用)が昨

 年度より増える計画である件

【JMIU支部の疑問】

 「その他の費用」とは、外注加工費や物品費などの合計です。昨年度より生産高が減少す

 る計画なのに、なぜ「その他の費用」が逆に増加すると見込まれるのですか? 普通なら

 「その他の費用」は減るはずです。

【会社の回答】

 昨年度(2015年度)は、一昨年度(2014年度)より利益が多かったので、税金も

 多くなりました。それが「その他の費用」が増えると見込まれる理由です。

【JMIU支部の見解】

 確かに利益に掛る税金は、翌年度に納税します。そこで、税金がいくら増えたのか質問し

 ましたが、回答はありませんでした。JMIU支部として、税額の増加分については大ま

 かな計算をしましたが、それでもまだ「その他の費用」の見込みが大きいようです。

 ④ 上半期の売上実績は、前年度と比較すると、メーターが大きく落ち込んでいま

 す。顧客のメーターの設備更新は昨年度で一段落したのではないですか?

【JMIU支部の疑問】

 2013年度以降、メーターの売上が好調だったことが東京測器の業績をけん引した大き

 な要因だったと思います。しかし、今年度の上半期の売り上げ実績は、前年度と比較する

 と、メーターが大きく落ち込んでいます。残念ながら、顧客のメーターの設備更新は昨年

 度で一段落したのではないですか?

【会社の回答】

 会社は、そう見ていません。メーターの新製品がまだ顧客に浸透していないためと見てい

 ます。設備更新も、まだまだあると考えています。

【JMIU支部の見解】

 設備更新を予定している具体的な顧客名は開示しませんでしたが、会社が団交で上記のよ

 うに述べたのですから、「設備更新は、まだまだある」のでしょう。下半期での挽回を期

 待したいと思います。

以上のように、全体として定量的な説明と資料開示が不十分です。年末一時金は妥結しましたが、引き続き月次決算などの定量的な資料の開示を求めていきます。

とりわけ、2017年春闘で開示される「最終利益見込」と、2017年年間一時金闘争で開示される「実際の決算」については、十分かつ定量的な説明を求めていきます。

詳細は、「JMIU組合ニュース(2016年12月2日付)」をご覧ください。ニュースは「支部ニュース全文(社員限定)」で閲覧・ダウンロードできます。ログインパスワードは「お問合わせ」からお問合わせください。折り返し、JMIU支部から返信します。